背表紙より
時は江戸時代後期、太平の世の黄昏。東海のとある小藩に藩校が設立されることになった。その学校の剣術教授方を決するために、藩を代表する二つの道場の門弟たちが御前仕合にのぞむのだが・・・。藩校を舞台に、厳しい階級社会の中で権力闘争や陰謀に巻き込まれながらも、あつい友情を育む三人の少年剣士たちの成長をさわやかに描く青春時代小説の傑作。どんな時代にも、輝く少年たちがいた−−。
読者のひとこと
それぞれが完結していながら、全編を通して一つの物語となっている連作短編集。話を重ねるごとに三人の少年がすこしづつ成長していく様子がほほえましく、読んでいてすがすがしい気持ちになります。また、藩内に蠢く陰謀にたびたび首を突っ込んでいく無鉄砲さにはらはらしながらも、友のためには斬り合いをも辞さないまっすぐさにはっとさせられます。彼らが成年に成長した続編「夏雲あがれ」も楽しみ。