
研究テーマの決定は最初の難関です。
ある程度初めから決めている人もいますが、その関心を大事にしつつも、広く地域の問題に目を見開くこと、報道に注意すること、そして地域研究に関連する専門分野の雑誌に掲載された研究論文を広く渉猟して、「あ、こんな研究もあるのか!」と発見し、感動してもらうことが必要です。
しかし、文献だけではなかなかイメージがわかないものでもあり、その場合には、あちこち見て回る経験も重要です。
私は、気仙沼港に居並ぶ100隻の大型マグロ船の壮観さに圧倒されて、海をテーマ としたいと思い、水産地理学や漁村社会学の文献を学習しましたが、どうも納得できず、買ったばかりの中古Honda Life(350cc)を駆使して、三陸から津軽海岸めぐり歩いてテーマを発想しました。 自分の趣味や進路との関連で考えるのもよいでしょう。
問題を定めたら、まずは現象を観察し、驚き、感動し、しっかり記述する。その過程で地域についての 認識を深め、現象把握と表現の手法を習得する。これが2年間の流れともいえます。そしてその経験は、卒業後の人生にも役立つものと信じています。(過去には、卒論研究を通して現地に魅せられ、そのまま現地で職を得たという人もいます。)
蛇足が長くなりましたが、上の文を読んで関心のある人はいつでも相談においでください。いろんな人の話を聞いてみるのが、まず大切でしょう。